関東ローム層 かんとうロームそう
関東の台地をおおう第4紀洪積世に堆積した火山灰で,俗に赤土とも呼ばれる。東京地方の新期のローム層は,主として富士火山の火山灰に由来しており,かなり粘土質である。これは,富士・箱根から50km以上もはなれているため火山灰の粒子が細かく,風化作用を受けやすかったためであり,赤土と呼ばれる赤褐色の色も風化による含有鉄分の酸化の結果である。関東の台地は洪積世の後半に形成された多摩段丘・下末吉段丘・武蔵野段丘・立川段丘からなっており,最も新しい立川段丘は今から2万~3万年前の洪積世後期のウルム氷期に相当する。立川段丘は厚さ3m以下の立川ローム層におおわれ,これより一段高い武蔵野段丘には立川ローム層の下に武蔵野ローム層が堆積している。同様に下末吉段丘では下末ローム層,多摩段丘には多摩ローム層がつけ加わり,古い段丘面ほど古いローム層が累加している。